5月10日(水) ミルフォードトラック 2日目
■楽しくてやがてきびしい
寒い。
4時ごろにふぁー・・・っと言いながら外のトイレに行くためハットの外に出る。
すると空には満天の星々が。
はっ!すごい。いっぺんに目が覚めた。
寝袋に戻るがほんとうに寒い。
体をゆすりながら早く朝にならないかなあと明るくなるのを待つ。
バッパーで湯たんぽを借りるつもりだったのをうっかり忘れてしまった。失敗。
どうしても寒いのでまだ暗いけど薪ストーブのあるキッチンへ行き火をつける。
窓から見えるのはまったく暗闇ではなく外のほうが中よりも明るい。
星って明るいんだな。
7時をすぎたころ、やっと普通に行動できるくらい明るくなった。
明るくなって分かったんだけハットの外に寝袋が。え?
見るとあの白ひげのおじいさんが奥さんといっしょに寝ていた。
おじいさんが「グッモーニン!」。元気だな。
聞くと持ってきているのは2人用のダブル寝袋で、ハットのマットに収まらなかったので外で寝ていたらしい。
それにしても寒くなかったのかな。
あ、そうか。ふたりの愛があればどんなに寒くったって平気なんだね。と勝手に納得。
明るくなったので朝食。
借りてきたガスコンロで牛乳を温めシリアルにかけて食べる。
はぁ〜あたたまる。
こりゃガスコンロ借りて持ってきてなかったら死んでたな。
9時ごろハットを出発。
スイス人はもう出発している。おじいさん率いるニュージーランド4人グループはのんびりと迎えに来る船を待っているようだ。
2日目は18km先のハットまで歩くことになる。いよいよ本番といった感じ。
気温は低いけど歩き始めると体が温まり、寒くもなく暑くもなくちょうどいい具合だ。
↑昨日とさしてかわらないフラットでコケで覆われた森の中を歩く。
それにしても、テレビの「ふしぎ発見」を見て歩きたいと前々から思っていたミルフォードトラックを今歩いている。
そんな自分の状況にふとびっくりしてしまう。
ほんと幸せというか、願いってかなえられるもんなんだなあとしみじみ思う。
↑コケに包まれた樹
ふかふかして暖かそうだ。
↑ちょっと休憩・・・とリュックをおろすと野鳥のロビンがそのリュックの上に乗っかってとまった。
まわりに誰もいない状況だとなんか仲間のような安心感がある。
↑まわりに誰もいないのでひとりでミステリーハンターごっこ。
なに指差してんだか。
↑コケの接写写真
小さな森のよう。ミルフォードの森の中にまた森がある。
↑緑のトンネル
ほんとうに幹がトンネルのようにカーブしている。
なんかおとぎ話の絵本に出てきそうな景色。
↑突然森が終わり開けた場所に出た。
フィヨルドの谷底を歩いているんだと再確認。
だいぶ立ち止まっては写真を撮っていたけどちょうど中間点にあるお昼を食べるための小屋に12時前に着いた。
スイス人はどれだけ先に行ったのかな?
↑フィヨルドの岩肌を流れ落ちる無数の滝
こんなのがあちこちに見える。
↑フィヨルドの池
滝からの水が集まって所々に池ができている。
水面が滑らかな鏡のよう。
こういう池のでかいのがマナポウリ湖やティアナウ湖などのフィヨルド湖。
フィヨルドが海につながっていたらダウトフルサウンドやミルフォードサウンドなどのフィヨルドの入り江になるってことかな。
↑14時半ごろ ガイドウォーク2日目のハット ポンポローナ・ロッジ
窓からのぞいてみると山小屋というよりホテルのように広くきれい。
午後からはたまに小雨が降っていたが、ここへきて本格的な雨になった。
↑流れる滝の水量が多くなってきた。
この辺は前から雨が降っていたのかも。
歩いて雨が降っているところにやって来たような感じだ。
雨が激しくなってきた。体が冷えてくる。
ハットはまだかまだかと歩いていると煙のにおいがしてきた。
先に歩いていたスイス人が薪ストーブに火をつけてくれているのかな。
もうすぐだ。
↑15時40分ごろ 個人ウォーク2日目のハット ミンタロ・ハットに到着
薪ストーブの煙が上がっている。
もう急いで中に入る。
中にはスイス人が予想通り薪ストーブに火をつけてくれていた。ありがたい。
スイス人にサンキューと言うと「けど、乾いた薪があまりないんだよ。外の薪は雨で濡れちゃってるし」と。
外の薪置き場を見るとたしかに濡れている。
たいていなら前に来た人が中に運び込んでおいて乾かすのだろうけど。
うーん。今晩はというか今晩もつらそうだ。
なんとか点いている火で暖まっていると外から話し声がしてきた。
すると雨でべちゃべちゃに濡れた男性2人組がやってきた。
2人はドイツ人と香港人のでこぼこコンビ。
今日、ティアナウからやってきて1日目のハットをとばして一気にここまで来たらしい。
ハットの中はスイス人、ドイツ人、香港人、日本人とバラバラ。
そしてみんな母国語は非英語。だけど英語で話をする。
香港人は日本語でしゃべるとまではいかないけど日本語の単語をよく知っていた。
外はとっぷりと暮れて真っ暗。
もちろんここのハットもシーズンオフは電気が点かない。
夕食の準備をしているととうとう火が消えてしまった。
もう一度点けようとがんばってみたがどうしてもつかないのでそのままにしておく。
屋根に当たる雨の音がバタバタすごい。さらに激しくなる。そして冷えてくる。
夕食後、どうしても寒くなってきたので4人で改めて火をつけてみる。
けど一度消えた薪にはなかなか火がつかない。
ハットにおいてある週刊誌をやぶって燃やすがそれも幾分湿っているので火にならない。
さて、どうしたもんかと思っていたらそこでスイス人が考え出したのは、マッチ棒の詰まったマッチ箱ひと箱をどんとストーブの中に入れ一気に薪に火をつけるという荒ワザ。
名づけて『アトミック・ボム作戦』。
中立の国スイス人がなんて物騒なネーミング。
とはいえこの作戦は見事成功。
約1時間ほどしか薪はもたなかったがなんとか冷えた手先や足先を暖めることができた。
21時ごろ、念のため風邪薬を飲んで早々に寝る。
雨はまだまだ激しい。
5月10日(水) ミルフォードトラック 2日目
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