5月9日(火) ミルフォードトラック 1日目
■のんびり気分で
朝7時15分ごろ、バッパーに迎えにきたワゴン車に乗る。
ほかの宿にも寄って、スタート地点への船が出るティアナウダウンズへ向かう。
ティアナウの町から車で約30分、8時30分ごろティアナウダウンズに到着。
バスの運転手がそのまま船の運転手になる。
お客さんは自分を入れて4人。
シーズンオフとはいえ世界的に有名なミルフォードトラックにたった4人とは。
↑ティアナウ湖を北上中。
約2時間のクルーズ。
↑荒々しいフィヨルドの岩山。
このクルーズだけでも十分景色を楽しめる。
↑11時すぎ ミルフォードトラックのスタート地点に到着。
いよいよ全行程54kmの3泊4日のトレッキングに出発だ。
今日歩くのはたったの3.5km。
これからのウォーミングアップといったところか。
↑コケに覆われた森。樹木にも地面もコケでいっぱい。
道はフラットでしっかりと整備されていて歩きやすい。
↑ガイドウォーク1日目のハット グレイドハウス
「12万円」かかる方のハットです。
こちらはシーズンオフのため閉鎖中。
窓から中をのぞくと、日本語の手紙や名刺が貼り付けてあるボードがあった。
日本からの利用者が多いのか。
↑グレイドハウスのすぐ近くにかかる吊り橋
水の色がまさにエメラルドグリーン。
↑こんな水の色ってあるんだな。
やられました。この水の色。
↑コケが「綺麗」だと感じる。
やっぱりミルフォードトラックはみんなが言うだけのことはあるわ。
1日目ですでに感動しっぱなし。
お昼は木道に座って昨日のうちに作っておいたシャケ缶野菜炒め丼。
しばらく米が食べられないから。
↑個人ウォーク1日目のハット クリントン・ハット
けっこうきれい。谷の底に建っている。まわりはフィヨルドの谷に囲まれている。
↑ハットの寝床
マットが置いてあるだけのかんたんなもの。
マットの上で寝袋を使って寝ます。
↑キッチン
シーズンオフなのでガス台は取り外されている。
水は出るけどこれは雨水を溜めたタンクからの水。
ハットに着いたのは13時ごろ。
もうすでに先に着いているスイス人青年がキッチン兼ラウンジのテーブルでくつろいでいた。
自分は景色を見ては、すごい!と言って写真を撮って歩いているのでどうしても遅れてしまう。
同じ船に乗っていたあとの2人はこのハットをとばして次のハットまで行ってしまった。
今晩はたった2人で過ごすことになるわけか。2人はさみしい。でもひとりじゃなくてよかった。
1日目は時間がたっぷりあるというのは知っていたのでその時間にスケッチをしようとスケッチブックと色鉛筆を持ってきている。
荷物を搬入するためにある木製のヘリポートに腰を下ろす。
さて・・・とつぶやくと間もなくハンプリッジ・トラックでもえらいめに遭わせてくれたサンドフライがワーッとやってきた。
スケッチしちゃだめなんですか?
だめだこりゃ。ラウンジに退散。
ひまだー。
本でも持ってこりゃよかった。ラウンジで日記を書く。
16時ごろ、寒くなってきたので備え付けの薪ストーブに火をつけスイス人と話をしていると外から人の声が。
あれ?なんでだ?
おじさん3人おばさん1人のグループがやってきた。
話を聞くと、本来のゴール地点のサンドフライポイントから出発して逆ルートを歩いてきたとのこと。
シーズン中は一方通行にしか歩けないがシーズンオフだとこんなこともできる。
一度ミルフォードトラックを歩いた人でも逆ルートで歩けばまた違った景色を楽しみながら歩けていいかもしれないな。
これでハットにいるのは6人。少し賑やかになった。
17時をすぎると谷の底というのもあってもう太陽が沈んで暗くなってきた。
自分以外は何度もトレッキングをしている経験者。
慣れた感じで夕食の準備をしている。米を炊いたりしている。みんなの頭にはヘッドライトが。装備もしっかりしている。
自分は手で持つ懐中電灯に食事は簡単にパンとクラッカーといわしの缶詰とリンゴを食べる。前回のハンプリッジ・トラックでもこのパターン。
うーんちょっと引け目を感じる。
すっかり暮れて真っ暗になる。
あとから来たグループのリーダー格のおじさんというよりおじいさんが持ってきたろうそくに火を灯す。
キッチンの中が明るくなった。
ろうそくってこんなに明るいものだったのかと思うくらい明るい。
おじいさんは白髪でしわだらけの顔にもみ上げからあごまで白い髭を蓄えている。
燃えている薪ストーブの火の明かりで照らされたおじいさんの顔。
おじいさんが薪をくべる。
この光景、やたら絵になるな。
薪ストーブを囲んでみんなで話し。
4人グループは全員ニュージーランド人。おじいさんは夫婦で来ている。
ろうそくの明かりがやさしい。まわりはほんと静か。
おじいさんが「ここは夏場は人が多くてさわがしくてハットは高い。けどどうだい?今のシチュエーション。電気はないけどろうそくを眺めながらゆったりとできる。いいとは思わないかい?」
みんなうんうんとうなづく。
ミルフォードトラックを歩くという非日常的なことにシーズンオフという要素が加わってさらに非日常的な今の状況がおもしろくて『なんかいいなあ』と感じた。
20時半ごろ就寝。雨が降り出した。
5月9日(火) ミルフォードトラック 1日目
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