5月8日(月) クイーンズタウン(3回目)→ティアナウ
■ミルフォードトラックへの想い
ミルフォードトラックを知ったのはテレビの「世界ふしぎ発見」でミルフォードトラックが紹介されているのを見てからだ。
トレッキング中の美しい景色に魅せられてニュージーランドに行ったら歩いてみたいと思った。
けど、番組内では歩くのにかかる費用は12万円、そして予約制でなかなか空席がないと紹介されていたのでこりゃむずかしいなと思った。
で、ニュージーランドを旅中、3月の終わり、インバーカーギルでこれからミルフォードトラックを歩きに行くという日本人に会った。
話を聞くと、12万円というのは「ガイドウォーク」というやつでガイド付きで山小屋もシャワーがあって食事もついているというのだ。
それとは別に「個人ウォーク」があってこれは個人で歩いて山小屋はガイドウォークの山小屋とは別でマットとキッチンがあるだけのごくごく基本的な造り。
けど費用はガイドウォークに比べて格段に安いそうだ。
そうか個人ウォークなら安いのか。
とはいえこちらもやはり予約制で3ヶ月ほど前に申し込んでやっと今行くのだと言うはなしだ。
ミルフォードトラックのシーズンは11月から4月まで。
うーん。3ヶ月前で頼んでやっと歩けるんなら今から予約しても4月には間に合わないなとやっぱりあきらめた。
で、ミルフォードトラックの玄関口ティアナウを通り抜け、5月になってオマルにやってきた頃。
やっぱり頭のすみに「ミルフォードトラックを歩きたかった」というのがあって、みんなの旅のバイブル「地球の歩き方」のミルフォードトラックのページを読んでいた。
すると『”シーズン中”は人数制限がある』と書いてある。
ん?シーズン中は人数制限があるけどシーズンじゃなかったら人数制限がなくて歩けるってことなのか?
それを確かめるべく本に載っていたミルフォードトラックやその他のトレッキングコースを管理している国の自然保護省(略称DOC)のホームページを見てみた。もちろん英語。
辞書を片手に見てみるとたしかにシーズン中の11月から4月はガイドウォーク、個人ウォークそれぞれ40人の人数制限があるけどそれ以外の時期は人数制限がないみたいだ。
だけどハット(山小屋)はマネージャーもいなくてガスもなく、電気もつかないらしい。
以前歩いたハンプリッジ・トラックと同じなのかな。
けど、「冬山に備えて」といったなにやらむずかしいことが英語で書いてあってひょっとしたらなにか条件があるのかもしれない。
でもなんとなく歩けそうな雰囲気。
この時点で「ミルフォードトラック歩けるかも率」60%。
その思いを持ちながらマウントクックへ。
オマルよりちょっとだけミルフォードトラックに近いのでビジターセンターでなにか情報はないかと行って聞いてみる。
すると係のお姉さんは「歩けるんじゃないかしら」となーんかあいまいな答え。
パンフレットを見せてもらうがホームページに書いてあることと同じことが書いてある。
こりゃ直接聞いてみようとティアナウのDOCセンターに電話してみた。
もしもし?シーズンオフでも歩けますかね?と聞くといろいろ英語で言われたけど「歩けますよ」との答え。
歩けるみたいだけど聞き取れなかった部分が気になる。
「ミルフォードトラック歩けるかも率」80%。
こりゃもうティアナウに行ってみようと今まで北上していた進路を南に変え一気に逆戻り。
その距離約400km。
1日ではティアナウに着かず、クイーンズタウンで1泊してやっとミルフォードトラックの玄関口ティアナウに到着。
来たはいいけどほんとに歩けるのかね?
■ミルフォードトラックへの段取り
ティアナウのDOCセンターへ行き聞いてみる。
どうすか?歩けますか?
すると係のおばちゃんが慣れた感じでプリントをぽんぽんと並べしゃべり出した。
「歩けるわよ。でも、これとあれと・・・」と説明された。
いろいろと段取りしないといけないらしい。
まず、スタート地点までの交通手段の予約。
スタート地点はティアナウから車で30分の湖の岸から船に乗り換え、船で2時間行った所だ。
これは町のトラベル会社がやっているからそこで予約しなければならない。
そしてマネージャーがいないのでもしものためのビーコンというSOS発信機をレンタルすること。
それをしてきたらまたここに来てハット(山小屋)の予約をしに来なさいね。とのこと。
そうか。いろいろ準備がいる。
これのほかにも食料の準備もしないといけないしな。忙しいぞ。
終わりに係のおばちゃんが写真を見せた。
その写真は腰まで水に浸かって歩いている写真。
「こんなこともあるのよ。それでも行く?」とちょっとおどし気味。
それを裏付けるかのようにセンター内には。
「生きて帰ってこれるだけの装備を持っていますか?」
と日本語で書かれたポスターが貼ってある。
『おい、そこの日本人、ミルフォードなめんなよ』と言われているようだ。
一旦バッパーに戻る。
するとちょうど昨日ミルフォードトラックを歩いて帰ってきたばかりという日本人がいた。
ラッキーだ。いろいろ気になることを聞いてみた。
普通は3泊4日で歩くのが基本。
けどこの方は、1日目はほんの数kmしかあるかないので1つ目のハットを飛ばして1日で2つ目のハットまで歩いたらしい。
こういうこともできるのだ。
ハットはかなり寒いらしい。
この方はここのバッパーのアドバイスで湯たんぽを借りたのであたたかく寝られたとのこと。
このバッパーでいろいろとレンタルしてくれるみたいだ。これは助かる。
あと、気になる危険なのかどうかと聞くと、危険なのは山越えの時ぐらいであとの道は普通の靴でも歩けるくらいのフラットな道だそうだ。
ちょっと不安解消。話が聞けてよかった。
さっそく町へ出かけトラベル会社で交通手段の予約。
価格は150NZ$(約12,000円)。
普段なら「うっ・・・」とひるむ金額だが今回ばかりは歩きたかったミルフォードトラックのため、なんとも感じず支払った。
「近くにアウトドア用品店があるから見てこれば?」言われたのでちょっとのぞいてみる。
さすがミルフォードトラックやその他トレッキングコースの玄関口だけあって充実した品揃え。
買う気はないけどレインコートやインナーなどを見てみる。どれもこれも高額なお値段。
アウトドアにはお金がかかるんだな。それだけ機能的だから仕方ないか。
そんな中、暖かそうなくつ下と手袋を購入。
続いてビーコンを借りにビーコンを扱っている町のガソリンスタンドへ。
レンタル料25NZ$(約2,600円)。
アウトドアにはお金がかかる。
そして、食料を買いにスーパーへ。
前回のハンプリッジ・トラックを歩いたのを参考に缶詰め、水を買う。
結構な金額になった。
アウトドアにはお金がかかる。
さらにレンタル用品店でバッパーでは取り扱っていないガスコンロを借りる。
借りようかどうしようかと思ったけどさすがに今回は寒い。
温かい飲み物が飲みたいので借りることにした。
レンタル料20NZ$(約1,600円)。
アウトドアには・・・もういいですか。
そしてふたたびDOCセンターへ。で、ハットの申し込み。
シーズン中は1泊40NZ$(約3,200円)のハットがシーズンオフ中はスペシャルプライスの10NZ$(約800円)ポッキリ。
安い!というかシーズン中が高すぎ。
これで準備完了。
やっと明日、ミルフォードトラックに行けるようになった。
この段取りでどれだけの数の店と店の間を歩いたか・・・。
つかれた。
ミルフォードトラックを歩くための準備運動のようだった。
■明日ミルフォードトラックへ [ ★リアルタイム報告★ ] 18:25
マウントクック天気が良くて最高の最高の景色でした。
ほんと感動で鼻水が出るくらい涙が出ちゃいましたよ。
うーん表現がきたない。
今はティアナウにいます。マナポウリのちょっと北。
地図を見てもらえばわかるのですが逆戻りしてます。
歩いてみたかったミルフォードトラックがシーズンオフなら予約しなくても歩けることがわかったので戻ってきちゃいました。
明日から3泊4日で歩いてきます。
かなり期待。
いい天気を願うばかりです。
5月8日(月) クイーンズタウン(3回目)→ティアナウ
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